DBマガジンの休刊が決定した。

7月24日の発売の9月号が最終号となるとのお知らせがあった。非常に残念で寂しいと同時に一つの時代の変遷として致し方無いのかなという思いもある。1999年の創刊から11年間続いた。創刊された当初は、システムの中核としてDBが重要な要素技術となっており、そのあたりの技術に枯渇している技術者に受け入れられたといえよう。それ以前に、翔泳社以外からDBにフォーカスした雑誌が何誌か出版されたが、長続きしなかったためDBマガジンも果たしてどれくらい続くのかという一抹の不安もあった。しかし、DBMSの技術革新やJavaやWeb技術の企業システムへの本格採用と同期してうまく特集や連載が組まれ、読者のニーズにマッチした雑誌として安定した読者を抱えていたのではないだろうか。新技術の追求だけではなく、DB設計、とりわけモデリングを重視し、多くの特集や連載が組まれた。
そんな中で、私も2000年初頭からのモデリングツール(ER/Studio)の紹介を兼ねたデータモデリングの入門記事に始まり、「実践的データモデリング入門」の元である「今日からはじめようデータモデリング」(連載17回)を連載がなんと言っても懐かしい。ちょうど、他誌での連載と重なり、常に〆切の恐怖に悩まされていたが、それまでの集大成としてまとめあげることができたのは、編集諸氏のおかげである(感謝)。その他にもUMLやデータモデリング関連の多くの特集に寄稿させていただいた。これらが、今日の私のビジネスの原点になってることは確かだ。その他、海外のカンファレンスやSODECレポートなども懐かしく思い起こされる。

今日なお、企業システムの中核がDBであることには変わりがないと思うのだが、技術者のニーズも多様化してきており、DBという括りだけでは厳しくなってきたということかもしれない。それよりも、出版業界に出現してきた黒舟iPadを始めとする電子書籍化の波であろうか。きしくも、iPad発売日に休刊のお知らせとは。
であれば、DBマガジン電子書籍として再登場の兆しありかもしれない。
川島さん始め、編集に携わってこられた皆さん、本当にご苦労さまでした。そしてそれを支えて下さった多くの愛読者に感謝いたします。
DBマガジンのコミュニティが何らかの形で継続できればと願っております。