昨日のこととなるが、東証の新システム「アローヘッド」がリリースされた。

新システムでは、旧システムに比べて処理性能を600倍に上げたという。企業システムの刷新では、新たなビジネス形態に伴うシステム機能の追加を伴うケースが多いのだが、本システムの場合は、処理能力、すなわちトランザクション処理能力の向上が、目的である。一般的には、非機能要件といわれている部類だが、東証システムでは最も重要な要件となったわけである。トランザクション性能が上がれば、それだけ、たくさんの売買が可能になるわけで、ビジネス拡大に繋がる。
このように、システム化の目的とそれに対する結果が眼に見える形で(本システムの場合は、トランザション処理時間)あらわすことができるのは稀だ。よくあるのは、BPR、あるいは省力化といっても、出来上がったシステムでどれだけの効果が出たかの実測は容易でない。昨年から経済環境悪化により、システム構築が頓挫しているケースを多く耳にするが、経営にインパクトを与えるほどの効果が見いだせないという事情もあるのではないか。現有システムのままでもビジネスは廻せるということか。
システム化投資の判断は、非常に厳しい。新システムがいかにビジネス効果をもたらすかを、具体的に示さないとGOは出なくなっている。